採用ミートアップを成功させるには?開催準備からフォローアップまで詳しく解説
Igarashi
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こんにちは、&Fans 編集部の五十嵐です。
私は &Fans を運営する rayout にて、人事・採用も担当しているのですが、給与や福利厚生などの目に見える部分だけではなく、雰囲気ややりがい、カルチャーといったソフト面に魅力を伝えることに苦戦しています・・・。むしろ、それこそが自社のアピールポイントなのに!
実際、調査でもそのような点を重視している求職者は多いことが分かっています。
でも、いくら文面で「成長、できます!」「仲の良い会社です!」と求人票に記載しても、なんだか説得力がないですよね。
そんな中、気になっていたのがミートアップ。聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
『交流会のようなイベント』というイメージはありつつ、難易度が高いのではないか?と敬遠してしまっていたあなた!採用担当の目線からミートアップについて細かく解説をしますので、是非一緒に学んでいきましょう!
目次
ミートアップとは?
特定のテーマに応じて募った参加者同士の交流を深め、ネットワークの拡大や知識共有を促進するイベントです。SNSやWebサイトを通じて参加者を募り、告知を見た人々が集まるのが一般的です。ちなみに「ミートアップ」という言葉は、元々はアメリカの「ミートアップ社」がプラットフォームの名称として作り出した造語だとか。
趣味・娯楽、学術・教育、地域コミュニティ向けなど様々なジャンルでミートアップが開催されており、それぞれ細かくテーマが決まっています。同じことに興味関心がある人々が集まるため、初対面でも深い交流が出来ます。
ビジネスの場で活用されるミートアップでは、採用活動やネットワーキング、技術的なディスカッションの場として開催されることが多いです。堅苦しくなくリラックスした雰囲気で、参加者同士が自然な形でコミュニケーションを取ることができることが魅力!と、今注目されているんですよ!
特に企業の採用活動においては求職者が企業文化を体感できる場として有効で、参加者に企業のビジョンや文化を理解させるための絶好の機会となります。今回は、採用におけるミートアップを中心に解説していきます!
採用ミートアップのメリットとデメリット
まず、採用ミートアップを行うことにどんなメリットとデメリットがあるのかを紐解いていきます。
メリット
●直接的なネットワーキングの機会
企業と求職者が直接交流できるため、採用担当者は求職者の人柄やコミュニケーションスキルを短時間で判断でき、求職者は企業の文化や雰囲気をリアルに感じることができます。
●企業ブランディングの強化
通常の求人広告や採用面接では伝えにくい企業文化や、職場環境、働くスタッフの声を自然にアピールできるため、企業イメージを向上させる効果があります。まさに「ファン」になってもらうための取り組みとして有効です!
●人材の質を高める
ミートアップに参加する人材は、通常の求人応募者よりも積極的で、特定の業界や職種に強い関心を持っていることが多いです。このような「能動的な人材」と接することで、採用の質が向上します。
●コスト効率が良い
採用ミートアップは、1対1の面接や複数の求人広告に費やすコストよりも、比較的低コストで多くの候補者と一度に接触できる効率的な方法です。オンラインミートアップであれば、さらにコストを抑えることができます。
●早期リクルーティングや優秀人材の囲い込み
ミートアップは、通常の採用プロセスの前段階で、企業が早期に有望な人材と接触するチャンスを提供します。特に、まだ就職活動を本格化させていない学生や、転職を検討している人材に対して、自社の存在をアピールできる絶好の機会です。
デメリット
●全ての参加者が応募につながるわけではない
ミートアップは、気軽に参加できるが故に興味本位や情報収集目的で参加する人も多く、必ずしも採用目標が達成できないリスクがあります。参加者の数が多くても必ずしも採用に直結しない場合も・・・
●準備と運営に手間がかかる
ミートアップの成功には、事前の計画と準備が不可欠。会場の手配、スピーカーや配信の準備、告知活動、当日の進行管理、参加者のケアなど、多くのリソースを必要とします。また、スタッフの対応が悪い場合、SNSなどでの口コミが広がる可能性もあるため、イベント運営には細心の注意が必要です。
●オンラインミートアップの制約
最近増えているオンラインミートアップですが、物理的な交流や雰囲気を感じることが難しいため、企業の文化や職場の雰囲気を完全には伝えきれない場合があります。
ミートアップを開催するには?
メリット・デメリットがわかったところで、いざミートアップ開催!・・・でも、何からはじめたら良いのでしょうか?以下、開催の方法について、順を追って要点をまとめてみました。
1. 目的と意義を考える
まず、ミートアップの最終的なゴールを設定します。目的を定めることで、全体の企画が一貫性を持ち、参加者にとって価値のあるイベントになります。
≪目的1≫人材採用のための接点を増やす
カジュアルなネットワーキングを重視し、企業のカルチャーを知ってもらう場として設計します。候補者が企業に親しみを感じ、応募のハードルを下げることが目的です。
≪目的2≫特定のスキルを持った人材を引き付ける
専門的な内容やワークショップを通じて技術力や知識の共有を重視したイベントにすることで、スキルのある人材が集まるでしょう。たとえば、エンジニアやデザイナー向けには最新技術やトレンドに関するセミナーを提供します。
≪目的3≫企業ブランドの認知度向上
企業ブランドを広く周知し、将来の候補者プールを拡大することが目的の場合もあります。求職者に企業のビジョンや働き方を広くアピールし、将来的に応募者を増やすのが狙いです。
2. ターゲット設定
採用したい人材のターゲット層を明確にすることが次のステップです。どのようなスキルや経験を持った人材を求めているのかを具体的に設定したのち、その人材が興味を持つテーマや業界トレンドに基づいた企画を検討します。
●求めるスキルと経験
採用する職種やポジションに求めるスキルセットを基にターゲットを定めます。
●キャリアステージ
新卒の場合はキャリアフェア的な要素を持ちつつ企業文化をアピールし、中途採用の場合は専門的なスキルやキャリアアップをテーマにするのが効果的です。
ターゲット層が決まったら、ミートアップに何を求めて参加するのかを考慮します。例えば、新しいスキルの習得や最新技術に関する情報収集、人脈形成、就職・転職先の探求など、参加者の動機を踏まえたイベント内容を企画することで、ターゲットの関心を引くことができます。
3.開催方法&会場選び
まずは、オンライン開催か、オフライン開催かを決定しましょう。オフラインの方が満足度を高められる一方、冬の雪や梅雨の時期の豪雨などが予想される場合、オンラインイベントの選択は有効です。
オフライン開催の場合、中途であればオフィス街、新卒であれば若者の集まる街での開催とする等、ターゲットに合わせて会場を選びましょう。もちろん、自社内のスペースで行うことも多いです。
4. 企画の内容決め
ミートアップの内容は参加者にとって価値のあるものでなければなりません。
まず、イベント開始時にアイスブレイクを行うことで、参加者同士の緊張をほぐし、活発なコミュニケーションを促します。簡単な自己紹介やグループディスカッションを取り入れると効果的です。
その後、企業の文化や業務内容、働き方を紹介する機会として、プレゼンテーションやワークショップを行います。参加者が興味を持ちやすい内容を提供することが成功のポイント。ワークショップ形式のセッションを取り入れることで参加者が積極的に関わることができ、満足度を高められます。
また、Q&Aセッションを設けることで、参加者の疑問や不安を解消する場を提供すると良いでしょう。
5.開催日の決定
開催日を決める際に気を付けるべきことはどんなことでしょうか?
●ターゲット層のライフスタイルを考慮
働いている人を対象にする場合、平日の夜や土曜日が参加しやすいことが多いです。学生や転職活動中の人には、平日の昼間も可能な選択肢です。地方や郊外で開催する場合は休日にするなど、参加者が余裕を持って移動できる時間帯を選ぶと良いでしょう。
●季節やイベントシーズンを避ける
年末年始やゴールデンウィーク、年度末や四半期末などの忙しい時期は、特定の業界では不参加者が増える傾向にあります。学生をターゲットにしたミートアップの場合、試験期間や卒業シーズンを避けましょう。
また、業界ごとに大型カンファレンスや展示会が開催される時期があるため、これらのイベントと重なると参加者が集まりにくくなります。逆に、似たような人をターゲットにしたイベントの前後にミートアップを設定することで、すでにその地域に集まっているターゲット層にリーチすることもできます。
6.効果的なプロモーション
内容が決まったら、参加者を募るプロモーションを行います。
●ターゲットに合わせたソーシャルメディア活用
特にIT系やエンジニアなどの専門職向けミートアップではビジネスSNSのLinkedInが有効です。LinkedIn広告は、特定の職種や役職に応じて広告を配信できるため、採用ターゲットに効果的です。XやFacebookを使用する場合、業界や地域に関連するハッシュタグを付けることで、広く認知を広げられます。年齢、職業、興味関心などでターゲットを絞った広告を出すのも良いでしょう。
●特定の業界やスキルに関連するコミュニティの活用
①Wantedly https://www.wantedly.com
採用サービスであるWantedlyには、まさに「ミートアップ」という名の機能があります。Wnatedlyのユーザー数は400万人!多くの求職者へアプローチできます。また、イベントの参加者はWantedlyのプロフィールを使用して登録するため、主催企業は事前に参加者の職歴やスキルセットを確認することができます。
②connpass https://connpass.com/
IT系イベント(IT、プログラミング、デザイン関係)に特化しています。主催者利用料金が無料であるのも嬉しいポイント。エンジニアやクリエイター向けのミートアップを行う際に利用するのが良さそうです。
●社員による口コミ拡散
意外と忘れがちですが、社員に協力してもらい、自らのネットワークやソーシャルメディアでイベントをシェアすることも効果的です。より個人的で信頼性の高いプロモーションが可能になります。
●魅力的なランディングページの作成
規模の大きいミートアップの場合、専用のランディングページを作成し、イベント内容、スピーカーの紹介、参加者にとってのメリットを明確に伝えると良いでしょう。
●パートナーシップによる共同プロモーション
業界団体や学校、他の企業とのコラボレーションで、共同でミートアップを開催することも効果的です。
●早期申込みや紹介による特典提供
早期申込みや、友人や同僚を紹介して参加する場合の特典を提供することで、参加者を増やすことができます。
7.開催日当日
いよいよ開催!当日もスムーズに運営ができるよう、細部まで気を配りましょう。
●参加者へのリマインダー
開催時間の1~2時間前に、参加者に向けてリマインダーメールを送信します。会場の住所、開始時間、オンラインイベントの場合はアクセスリンクを再確認してもらうための情報を含めます。また、連絡先や緊急対応のための情報も伝えておくと良いでしょう。
●会場設営
オフラインで開催する場合は、マイクやプロジェクターなどの機材が正常に動作するかも忘れずに。オンラインイベントの場合、使用するプラットフォーム(Zoom、Teams、Webexなど)が正しく動作するか、事前にテストします。
●参加者受付のスムーズな運営
参加者がスムーズにチェックインできるように、参加リストやQRコードなどを事前に準備します。更に開始前に軽食や飲み物を提供し参加者がリラックスして交流できる環境を作ると、参加者同士が打ち解けやすくなりそうですね。
●イベントの記録と共有
当日の様子を写真や動画で記録し、SNSでリアルタイムに共有することで、ミートアップに参加していない人にも企業の雰囲気やイベントの活気を伝えることができます。オンラインミートアップの場合、イベントを録画して後日参加できなかった人にも共有できるようにしておくと、情報の拡散や次回のイベントへの興味喚起に役立ちます。
8. フォローアップと継続的なコミュニケーション
ミートアップ終了後のフォローアップも重要なプロセスです。参加者に感謝のメールやアンケート・評価フォームを送りましょう。そして1度参加した方には今後の採用プロセスや次回のイベント情報を継続的に案内し、積極的に興味を示した参加者には個別に連絡を取ることで、採用への繋がりを強化します。過去の参加者には特別な案内や割引などを提供するのも良いですね。
成功したミートアップ事例
●富士通株式会社
エンジニアの潜在層に向けて、テクノロジーに関する情報を共有するミートアップを行い、そこで採用に関する情報も提供しています。参加者は自社と近い価値観を有している人材も多く、自社のビジネスに興味を持ってもらうきっかけになればと、力を入れているのだそうです。
募集サイト:https://fujitsufjct.connpass.com/
参考:https://saponet.mynavi.jp/column/detail/ty_saiyo_t01_direct-recruiting_210420.html
●株式会社NTTドコモ
社員とカジュアルにお話できるミートアップを、オンラインで開催しています。
公式サイトにはミートアップの開催レポートが掲載されており、当日どのような内容であったのかが詳しくまとめられています。参加者のアンケートで上がった改善点も記載されてるのが、珍しいですね!
https://information.nttdocomo-fresh.jp/career/smart_life/meetup
まとめ
求人票の情報だけでなく、会社の雰囲気ややりがいなどのカルチャーマッチが重要視される現代…
ミートアップのような素に近い部分で交わり合える機会は、企業と求職者の相互理解を深める新しい採用手法として今後ますます重要になると感じました。
成功するためにはしっかりと目的を設定した上で、ただ自社をオススメするだけでなく、参加者が満足できる内容を考えることが重要なようですね。
もはや、やらないともったいない気がしてきました・・・!
この記事が皆様の企業でミートアップを行う手助けになっていたら嬉しいです!
以上、五十嵐がお送りしました。
……
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