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&Fans編集部
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「広告を出しても、なかなか利益が伸びない」「新規顧客を増やしても、すぐに離脱してしまう」。
そんな課題を抱える企業がいま注目しているのが、“LTV(顧客生涯価値)”という考え方です。
こんにちは、&Fans編集部です。
&Fansでは、「ファンの熱量をどうビジネス成長につなげるか」というテーマを軸に、企業のマーケティングや顧客戦略を分かりやすく紐解いています。
LTVとは、Life Time Value=顧客が生涯にわたって企業にもたらす価値のこと。
単なる売上指標ではなく、「顧客との関係性の深さ」や「ファン度」を数値で可視化する指標として注目されています。
新規顧客の獲得コストが上がり続ける今、企業が成長を続けるためには、LTVの計測が欠かせません。
本記事では、LTVの基本的な計算方法をはじめ、ビジネスモデル別の活用方法、LTVを高めるための施策、さらにファン育成の視点からの戦略まで、体系的に解説します。
目次
まず、LTVの基本的な定義や指標を使う目的について、マーケティング初心者にもわかりやすく解説します。

LTV(顧客生涯価値)とは、顧客一人あたりが企業にもたらす利益の総額を表します。つまり、商品やサービスを利用する一人の顧客が、生涯どれくらい自社に利益をもたらしてくれたかを数値化した指標です。
この指標によって、企業は個々の顧客がどれだけの価値を持つかを定量的に把握できるため、マーケティング戦略や投資判断の重要な基準として活用されています。
LTVを計算する主な目的は、以下の通りです。
| ● 収益性を評価するため ●事業の成長性判断のため ●顧客獲得コストの上限設定を明確にするため |
一回きりの売上だけでなく、顧客の長期的な価値を把握することで、より正確に収益を分析することが可能になります。また顧客維持のための施策はLTVの向上につながり、企業全体の利益体質を強化することにつながります。
LTVの推移を追跡することで、ビジネスモデルの健全性や成長のポテンシャルを評価可能です。それにより、事業の継続や撤退などを選択しやすくなります。
LTVを正確に計算すると、一人の顧客を獲得するためにどれくらいの費用を投資できるか判断基準が得られます。その基準をもとに、マーケティング活動や広告費を最適化しやすくなります。
続いて、基礎的なLTVの計算方法を具体例をもとに解説し、併せてよく使われる指標も紹介します。

LTVの算出方法は複数存在しますが、基本的な計算式は以下です。
LTV = 平均購買単価 × 年間購買頻度 × 平均継続年数
この計算式から得られた金額をもとに、一人の顧客獲得にかける上限コストや、マーケティング施策の投資対効果などを決定します。
抽象的な言葉だけだと分かりにくいので、具体的な例をもとに計算してみましょう。
具体例として、小売の店舗ビジネスで考えてみましょう。顧客一人当たりの平均購買単価が5,000円、年間購買頻度が4回(季節ごとに来店)、平均継続年数が5年とします。
この場合のLTVの計算式は以下です。
LTV = 5,000 × 4 × 5 = 100,000円
計算結果から、一人の顧客が生涯もたらす価値は10万円であることが分かります。10万円を基準に、一人あたりの広告費や原価などを設定することができます。
| 補足:小売店の特徴として、一人の顧客を追跡しづらいのでPOSデータや会員客の購入履歴などから算出します。また、実務においては、「優良顧客」と「ライトユーザー」に分けて算出することで、より精度の高い分析が可能です。 |
LTVを出すために以下のような指標を使うことが多いので、合わせて理解しておきましょう。

様々な計算方法があるLTVは、ビジネスモデルによって計算式を使い分けることが重要です。ここでは、事業の種類別に適切な計算式や主な活用目的を紹介します。
LTVの計算方法がたくさん存在するのは、ビジネスモデルや分析目的の違いによるものです。
以下の表は、複数のLTV計算式を目的別に体系化したものです。ビジネスモデルにあった計算式を使用することで、活用目的にかなった数値を算出できます。

シンプルなビジネスモデルでは、「LTV = 平均購買単価 × 年間購買頻度 × 平均継続年数」という基本的な計算式を使用します。これは、商品やサービスの種類が限定的で、顧客の購買パターンが比較的予測しやすいビジネス、例えば、単一商品を扱う専門店や美容室・理髪店、書店などが該当します。
活用目的としては基本的な利益計算に向いています。顧客一人あたりの平均利益を正確に把握することで、適切な販促の予算設定などが可能です。
ECのビジネスモデルでは、「LTV = 平均注文単価 × 平均購入回数」という比較的シンプルな式を使用します。この計算式は、オンラインで購入履歴を正確に把握できるECの特性を活かしたものです。平均購入回数は、初回購入からのリピート率データを基に算出します。
活用目的としては、デジタルマーケティングの投資の判断に利用することが多いです。例えば、リスティング広告やSNS広告などのチャネル別にLTVを算出することで、どの媒体が最も効率的な顧客獲得をもたらすかを定量的に評価できます。
サブスクリプション型のビジネスモデルでは、「LTV = 月間平均売上 × 粗利率 ÷ 解約率」という計算式を使用します。この式は、継続課金というビジネスモデルの特性上、解約率が直接的にLTVに影響することを表しています。粗利率を含めることで、より実態に即した収益性の評価が可能です。
サブスクモデルのLTVは、カスタマーサクセス施策の優先順位づけや投資配分の判断に活用されます。また、料金プランごとの収益性の高さやどんな機能を開発すれば利用率が増えるかといった判断にも活用可能です。
ECのモデルを具体例として計算してみます。
以下の条件で計算してみましょう。
● 平均注文額:8,000円
● 初回購入者のうち30%が2回目購入、10%が3回目購入
まず、平均購入回数を算出します。
平均購入回数 = 1(初回)+ 0.3(2回目)+ 0.1(3回目)= 1.4回
この平均購入回数は「初回購入者に対するリピート率」から推計可能です。
次にLTVを計算します。
LTV = 8,000 × 1.4 = 11,200円
計算結果から、1人の新規顧客を獲得すると、平均で11,200円の売上が期待できることが分かります。
| 補足:ECサイトの特徴として、購入履歴やリピート率などのデータ取得が容易であることが挙げられます。また、ヘビーユーザーとライトユーザーなど、顧客セグメント別でLTVに大きな差が出やすいことも特徴です。 |
LTVを向上させるためには、計算式の構成要素に着目したアプローチが重要です。
顧客単価をあげる方法としては、アップセルやクロスセルなどがあげられます。これによって、既存顧客により高単価な商品やサービスを提案可能です。

購買頻度をあげるには、例えばメールマーケティングやリピーター向けキャンペーンを実施することで、顧客の購買機会を増やします。
継続期間を延ばしたり、解約率を下げたりする施策も重要です。例えば、カスタマーサクセスやサポート体制を強化することで、顧客満足度を向上し、長期間の利用を促進します。
リピート購入するだけでなく、口コミを通じて新たなファンを連れてきてくれる好循環が生まれます。
これまで解説してきたファン育成の施策を、実際に成功している企業の事例を通じて具体的に見ていきましょう。LTV向上とファン化の参考にしてください。

福助は靴下や肌着で知られる老舗ブランドです。男性用着圧ソックスの最上級モデルを、アップセル商品として開発し、顧客単価の向上を実現しています。
商品開発時には「ラグジュアリーでエグゼクティブ向け」とターゲット層を明確にして、若い人が「いつか手に入れたい!」と、憧れを抱いて欲しいという想いも込めて製作したそうです。
既存顧客の潜在的なニーズを深く分析し、より高付加価値な商品を提案することで、LTVの向上を図っています。

mineoは、MVNOの市場シェア上位を占める格安SIM(MVNO)サービスです。
交流サイト「マイネ王」の運営を通じて、顧客コミュニティの形成に取り組んでいます。具体的な施策として「Q&A」や「掲示板」といったコンテンツを設けて、ユーザー同士のコミュニケーションを活発な交流などを行っています。
コミュニテイ等での活動量が増えることで、解約率が下がり、さらに紹介による新規顧客も増加するという好循環を生んでいるそうです。
上記の他にも、LTV向上の具体的な施策で溢れているので参考にしてみてください。
LTVを理解して活用することは、事業を長く続けていくうえで欠かせない視点です。
数字の先にあるのは、顧客との関係性。そこをどう深めていくかが、これからの成長のカギになります。
&Fansを運営するrayout株式会社では、企業の課題や目標に合わせて、LTVを軸にしたマーケティング設計や仕組みづくりをサポートしています。
“売る”だけでなく、“続いていく関係”をどう育てるか。そんな視点から、ビジネスの土台づくりを一緒に考えていきます。
LTVをもっと活かしたい、自社に合った取り組みを知りたい!そんな方は、ぜひお気軽にご相談ください!

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