カスタマーエクスペリエンス(CX)の成功事例7選!自社での活用、BtoB事例も紹介!

&Fans編集部

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ビジネスの差が、機能でも価格でもなくなった今。
お客さまが「またこのブランドを選びたい」と思う理由は、どんな体験を届けられるか……
その答えが、カスタマーエクスペリエンス(CX)=顧客体験にあります。

CXの質は、満足度を高めるだけでなく、ファンを生み出し、リピート購入や新規顧客の獲得にもつながる重要な要素です!
顧客の心に残る体験をどう設計できるかが、これからの企業成長を左右するといっても過言ではありません。

&Fansを運営する  rayout はCXの設計・実践を専門領域としてきました。
本記事では、そのCXのプロであるrayoutの視点から、BtoC・BtoBの成功事例や、成果を出している企業の共通点、そして自社でCXを実践するためのステップまでをわかりやすく解説したいと思います!

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは?

カスタマーエクスペリエンス(CX)は、企業の競争力や差別化を左右する概念です。ここでは、CXの定義、似た概念との違い、ビジネスの成長に不可欠な理由を解説します。

CXの定義:顧客の“体験価値”をデザインすること

カスタマーエクスペリエンス(CX)とは、「顧客体験」を意味する言葉です。マーケティング用語として使われ、顧客が商品・サービスを利用する過程で得る、購入前の情報収集から実際の購入、そして購入後のサポートに至るまでの体験全体を指します。

また、CXは単なる接客やサービスの質だけでなく、顧客の感情や印象などの心理的な側面も含む、総合的な体験価値も意味しています。例えば、商品自体は優れていても、購入プロセスが複雑だったり、サポート対応が不親切だったりすれば、CX全体としては低評価となってしまうのです。

CXとCS・UXの違い:CXは、CSやUXを包含するより広い概念

CXに似た概念として、CS(顧客満足度)とUX(ユーザー体験)があります。

CS(顧客満足度)

CSとは、顧客がどの程度満足したかを数値化する指標のことです。体験そのものではなく、体験の結果を測定する概念といえます。アンケートやスコアリングによって可視化可能で、CXの成果を測る一つの指標として活用されることが多いです。

UX(ユーザー体験)

UXは、特定のプロダクトやサービスの利用体験に使用される概念です。例えば、アプリの使いやすさ、Webサイトのナビゲーションの快適さなどがUXに該当します。

CXは、これらCSやUXを包含するより広い概念で、企業やブランド全体を通じた体験価値を表現する際に使われます。

顧客体験がビジネス成長に不可欠な理由

現代のビジネスではCXの重要性がますます高くなっています。その背景には、いくつか明確な理由があります。

1つ目は、価格や機能での差別化が難しくなっていることです。技術の進歩によって、競合他社との性能差は小さくなり、価格競争も激しくなっています。このような状況では、体験価値が競争力を高める要素の一つになります。

2つ目は、CXが優れている企業は顧客ロイヤリティが高い傾向にあることです。ロイヤリティの高い顧客はリピート購入に加え、知人や友人に積極的に紹介してくれるので、LTVの向上と新規顧客獲得の両方で効果を発揮してくれます。

3つ目は、SNSが普及して顧客の声が瞬時に拡散される時代になったことです。良い体験も悪い体験もすぐにSNSで共有され、ブランド評価が左右されるようになりました。結果、全ての体験でより優れたものを提供する必要があります。

このような理由から、CXの向上は企業にとって避けられない課題になっているのです。

【業界別】CX向上の成功事例7選

では、CXを向上させるためにはどのような施策を行えば良いのでしょうか。ここでは、BtoC・BtoB両方の領域で優れたCXを実現している企業の成功事例を紹介します。

B to C事例

■スターバックス

​​スターバックスは、店舗体験を重視することで独自のCXを確立しました。同社が目指しているのは、家でも職場でもない「サードプレイス」としての価値提供です。

居心地の良い空間づくりに加え、スタッフと顧客のコミュニケーションを大切にする文化が根付いています。また、混雑に対して顧客が不満を抱かないよう、モバイルオーダー&ペイを導入することで、待ち時間の削減を実現して利便性も向上させています。

店舗での顧客体験とデジタルの利便性を両立させることで、多様な顧客ニーズに応える仕組みを構築している点が特徴です。

参考:スターバックス プレスリリース
参考:モバイルオーダー&ペイ

■メルカリ

フリマアプリのメルカリは、初心者でも安心して取引できるUX設計に力を入れています。出品から購入、発送まで直感的に操作できるインターフェースが特徴です。

また、充実したサポート体制やAIによる不正取引防止の仕組みを導入して、ユーザーから信頼される企業努力を行っています。2024年には、置き配サービスの顧客体験向上にも取り組み、受取の利便性をさらに高めました。

テクノロジーを活用しながら、ユーザーが安心して利用できる環境を整えることで、継続的な利用を促進している事例といえます。

参考:mercari メルカン – CXデザイン室の取り組み
参考:mercari メルカン – 置き配の顧客体験向上

■ANA

ANAは、アプリ・空港・機内という複数のタッチポイントで、シームレスな顧客体験を実現しています。予約から搭乗、到着後まで、一貫した顧客体験を提供する仕組みが整っています。

さらに、マイレージプログラムや顧客データを活用したパーソナライズ施策を実施して、顧客一人ひとりに最適化されたサービスも提供しています。履歴や好みを分析して、関連性のある情報を届けることで、満足度を高めているのです。

複数のタッチポイントで体験を統一してパーソナライズする取り組みは、他業種でも参考にするべきアプローチといえます。

参考:ANA お客様満足への取り組み

■株式会社Clear

株式会社Clearが展開する日本酒ブランド「SAKE HUNDRED」は、平均価格3~5万円という高価格帯ながら顧客から支持され続けるために、独自の顧客体験を確立しています。

同社が掲げているのは「体験に責任を持つ」という考え方です。単に美味しいお酒を提供するだけでなく、顧客が不安なく美味しさを感じられるよう、周辺環境や情報まで含めて整えることを重視しています。例えば、ブランドサイトの写真やレイアウト、言葉遣い、対応の速さなど、顧客が受け取るすべての要素のレベルを上げる工夫を続けています。

360度どこから見てもブランド価値が感じられる状態を目指すことで、高価格帯でも選ばれる理由を作り出しているのです。

参考:&Fans – 株式会社Clear「SAKE HUNDRED」の顧客体験

B to Bの事例

■Sansan

名刺管理サービスのSansanは、名刺のデータ化ツールから顧客の業務効率と営業力を強化するプラットフォームへと進化させました。

顧客との接点を一元管理する仕組みを構築して、営業活動の質を高めるだけでなく社内での情報共有も円滑にしています。また、カスタマーサクセスのためのプランをレベルに分けて提供し、顧客ごとのニーズに対応できるサービス提供を行っています。

企業が抱える「名刺が活用されない」という課題を解決し、ビジネスの成果に直結する体験を提供している点が評価されています。

参考:Sansan サポート情報

■Slack

ビジネスチャットツールのSlackは、使いやすさやチーム連携のしやすさで日常業務に自然に溶け込む体験を提供しています。

特徴的なのは、外部アプリとの豊富な連携機能です。企業ごとの業務スタイルに合わせてカスタマイズができるため、コミュニケーションコストを抑えることに成功し、導入後の定着率が高くなっています。

業務効率の向上を実感できる設計が、Slackの高い顧客満足度につながっているのです。

参考:Slack 導入事例

■Beacapp

株式会社ビーキャップは、ビーコンを利用した屋内位置情報サービス「Beacapp Here」を提供する会社です。企業や病院などの在席管理・安否確認・避難時の誘導といった、施設管理の課題をサポートするサービスを提供しています。

顧客体験向上の特徴としては、サービス導入後のサポート体制にあります。営業メンバーからカスタマーサクセスチームまで、顧客のシステム導入を成功させるために継続的に施策を実施しています。

導入して終わりではなく、課題解決に伴走する姿勢が顧客から高い評価を得ている理由です。

参考:&Fans – Beacappのカスタマーサクセス

事例に共通するCX成功のポイントと戦略的アプローチ

上記で紹介した成功事例には共通するポイントがあります。自社でCX向上に取り組む際のヒントとして、重要な要素を4つ押さえておきましょう。

深い顧客理解

CX向上で最初に行うべきは、顧客を深く理解することです。成功企業は表面的なデータだけでなく、顧客の心理や行動パターンなども把握しています。

具体的には、顧客の属性に関するデータ(年齢・性別・地域・購買履歴など)を分析して、ターゲットを明確化します。さらに、定量データ(NPS、CSAT、購入頻度)と定性データ(インタビュー、アンケート自由記述、SNS投稿)の両方を組み合わせることで、数字だけでは見えない顧客の本音を把握しています。

また、ペルソナやカスタマージャーニーマップを作成して、顧客の心理的な動きや不満を社内で共有することも効果的です。共通認識を持つことで、部門を超えて一貫した施策展開が可能になります。

データとテクノロジーの活用

顧客理解をもとに施策へ落とし込むためのデータやテクノロジーも活用しています。

例えば、CRM(顧客管理システム)を顧客情報の一元管理のために導入して、部門間での情報共有をスムーズにするといった具合です。また、AIや機械学習を活用して購買傾向の予測やレコメンドを自動化し、個々の顧客に最適化された体験を提供しています。

さらに、モバイルアプリやチャットボットを導入することで、24時間対応やパーソナライズしたサービス提供が可能です。注意点として、テクノロジーはあくまで手段であって顧客視点を忘れないことが重要です。

部門横断的な連携

優れたCXを実現するには、部門の壁を越えた連携が不可欠です。部門ごとのKPIではなく、共通の指標を設ける仕組みづくりが求められます。主要な事業部に求められる役割は以下です。

マーケティング部門:顧客の期待値を把握して、ブランドメッセージを統一する役割を担う。
営業部門:顧客データや顧客の声を把握した上で、的確にアプローチすることで顧客との関係構築を強化する。
カスタマーサポート部門:顧客のリアルな声を集めて、他部門に改善点をフィードバックする。
IT部門:顧客体験を支える基盤(システムアプリ、データ連携)を構築して、全体を技術面で支える。

このように各部門が役割を理解しつつ、顧客体験という共通のゴールに向かって協力することが成功の鍵となります。

継続的な改善(PDCA)

CXを成功させるには、施策の実行だけで止まってはいけません。顧客や環境の変化に合わせて改善するサイクルを、組織文化として根付かせることが必要です。

具体的には、以下のようなPDCAサイクルを実施します。

Plan(計画):顧客課題をもとに施策を立案。データや顧客の声から、優先的に取り組むべき課題を特定する。 
Do(実行):試験運用や一部の顧客グループで施策を試す。いきなり全体展開するのではなく、小規模で検証することでリスクを抑えることが可能。
Check(検証):リピート率、LTV、NPSなどの指標で効果を数値化する。定量的な評価と定性的なフィードバックの両方を確認。 
Act(改善):成果を踏まえて施策を修正し、効果が確認できたら全社的に展開する。

上記のサイクルを回し続けることで、常に顧客に寄り添ったサービスを提供できるようになります。

CX改善で失敗してしまうケース:顧客ファーストを貫こう!

ここまで成功事例や成功のポイントを紹介しましたが、失敗する場合もあります。ここでは代表的な失敗の要因を紹介します。

共感不足や顧客たらい回しで不満増大

顧客の不安や不満に寄り添わずに対応することは、CXを損なう要因です。例えば、コールセンターで長時間待たされたり、担当者間でたらい回しにされたりする経験は、顧客に強い不満が残ります。

顧客は「自分のことを理解してもらえていない」と感じ、短期的には問題が解決したように見えても、長期的には離脱につながりやすいのです。さらに、こうした不満はSNSで拡散されるリスクも大きく、ブランドイメージの低下を招く可能性があります。顧客対応の質は、CXの中でも特に重要な要素といえるでしょう。

声を上げない「サイレントカスタマー」を見逃す

苦情を言わずに静かに離れていく「サイレントカスタマー」の存在も見逃してはいけません。実際には不満を持っているものの、わざわざ伝えない人の割合は想像以上に多いです。

サイレントカスタマーは他社へ乗り換えたり、口コミでのネガティブ発信をしたりすることがあります。表面的なアンケート結果(満足度調査)だけを見ていると、こうした不満層の存在に気づけません。

このような顧客を把握するには、利用頻度の減少や退会率といった行動の分析が不可欠です。アクティブ率の低下や購入間隔の延長など、小さな数値の変化に気づけるよう見逃さないようにしてください。

DXが目的化して顧客視点を見失う

テクノロジーの導入自体がゴールになってしまうケースも少なくありません。例えば、チャットボットやアプリを導入しても、顧客ニーズに合わなければ逆効果です。

IT部門主導でプロジェクトが進むと、顧客体験よりもシステム構築の完成度が優先されることがあります。「顧客がどう便利になるか」「どう快適に感じるか」を検討しないまま進めてしまうと、投資に見合う成果が得られません。テクノロジーはあくまで手段であって、顧客視点を忘れないことが大切です。

部門間の連携不足

CX向上には全社的な取り組みが必要ですが、部門間の連携が上手くいかないケースも多いです。

「部門間での協力体制を築けていない」「事業部外での貢献が評価に含まれない」という理由で、部門を超えた連携に消極的になることがあります。また、部門ごとに使うシステムやKPIが異なると情報共有も進みません。

結果として、顧客との接点を全社で把握できず、対応に一貫性がなくなります。顧客にとっては、どの部門とやりとりしても同じ企業として認識されるため、連携不足は致命的な問題です。CX向上の施策を実施する際は、社内の評価制度や協力しやすい体制の構築などにも気を配る必要があります。

自社でCX向上施策を行うためのステップ

ここまでの内容を踏まえ、最後に自社でCX向上に取り組む際の具体的なステップを解説します。

ステップ1:現状の課題を特定する

まずは顧客と接点を持つ部署やデータから、現状の改善点を見つけることから始めます。

顧客の声を集める

カスタマーサポートの問い合わせ履歴、クレーム内容、SNSの口コミをチェックします。顧客が直接的に不満を表明している内容には、改善のヒントが詰まっていることが多いです。

内部ヒアリングを実施

現場スタッフや営業担当の声から、顧客対応の課題を洗い出します。現場には、経営層や企画部門が気づいていない課題が多く存在しています。

データ分析

購買頻度、離脱率、カート放棄率などを確認して、「どこで顧客が不満を感じているか」を特定します。

上記に取り組んで改善点が見えてきたら、すべてを一度に解決しようとせず、インパクトが大きいものから着手するよう優先順位を付けましょう。

ステップ2:カスタマージャーニーマップを作成する

続いてカスタマージャーニーマップを作成します。カスタマージャーニーマップは顧客がブランドを認知してから、比較検討、購入、利用、再購入に至るまでの行動を整理したものです。

各フェーズごとに、「顧客の感情」「接触するチャネル」「具体的な課題」を明らかにしていきます。例えば、認知段階では「情報が少なくて不安」、購入段階では「決済方法が限られていて不便」といった具合です。

具体的な課題を明確にする際は、実際の顧客の声を参考にして机上の空論にならないマップを作成することが大切です。部門をまたいでワークショップ形式で作成すると、社内での理解と共通認識が深まりやすくなります。

ステップ3:タッチポイントごとに改善策を検討・実施

カスタマージャーニーマップができたら、各タッチポイントで具体的な改善策を検討・実施します。例えば、以下のような施策が考えられます。

Webサイト/アプリ:UI・UX改善、FAQの充実、チャットボット導入など。顧客が自己解決できる仕組みを整えることで、サポート負荷の軽減にもつながる。 
コールセンター:待ち時間の短縮やたらい回しの防止が重要。顧客情報を一元管理し、どの担当者でも適切に対応できる体制を整える。 
店舗/オフライン:接客マニュアルの見直しや、顧客の声を現場にフィードバックする仕組みが効果的。現場スタッフが顧客ニーズを理解していれば、より質の高い対応が可能。 
配送/アフターサポート:通知の分かりやすさや返品・交換の手軽さを改善。購入後の体験も、リピート率に大きく影響する。

タッチポイントを横断的に見て、「体験の一貫性」を損なわないように調整することも忘れないでください。

ステップ4:顧客からのフィードバックを収集する

施策を実施したら、顧客からのフィードバックを必ず収集します。ポイントは定量と定性の両方のデータを集めることです。

定量データとしては、アンケート(CSAT=顧客満足度、NPS=推奨度)が代表的です。数値で追うことで、改善の効果を客観的に把握できます。定性データとしては、自由記述アンケート、SNS投稿、インタビューなどがあります。数値だけでは見えない顧客の本音や感情を理解するために重要です。

また、サイレントカスタマー対策として、「利用頻度が落ちた顧客」の行動を分析することも忘れずに行ってください。加えて、購入後メールや定期調査など、顧客のフィードバックを収集する仕組みを構築できないか検討しましょう。

ステップ5:効果検証と継続的な改善

最後に施策の効果を検証し、継続的に改善していく体制を整えます。例えば、下記のようなKPIを設定しましょう。

NPS改善率
離脱率低下
LTV向上
リピート率増加 など

設定後は四半期・半期単位でモニタリングして、数値の変化を追います。ポジティブな改善が見られたら、小さな成功でも社内で積極的に共有することが重要です。成功体験を共有することで、CX改善の重要性が組織に浸透し、改善文化が根付いていきます。

このようなステップをPDCAサイクルとして回し続けることで、常に顧客に寄り添ったサービスを提供できる組織に成長することができるでしょう。

まとめ | | CX向上は「顧客理解」からはじまり、「顧客理解」でおわる!

ここまで、CX(カスタマーエクスペリエンス)の成功事例や実践のポイントを紹介してきました。 いまやCXは、企業の競争力を左右する“ビジネスの心拍数”のような存在です。

「深い顧客理解」「データとテクノロジーの活用」「部門横断的な連携」「継続的な改善」。
この4つの視点を押さえるだけで、CXの取り組みはぐっと動き出します。

まずは、目の前のお客さまをもう一度見つめ直すことから。ひとつひとつの体験を見直すことが、CX向上の最初の一歩です。

そして、「自社らしいCXの形を描きたい」と思ったときは、 &Fans を運営するCXのプロである rayout にぜひご相談ください。戦略設計から実行支援まで、貴社の“顧客体験の未来づくり”をサポートします。

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