ソーシャルリスニングとは?何から始める?導入ステップと活用方法を徹底解説

Kamiya

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こんにちは、 &Fans 編集長の神谷です。
最近みなさん、顧客の声を聞いていますか?

……と突然何を言い出すか、と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はその重要性についてお話ししたいと思います。
老若男女問わず幅広い層が活用し、ユーザーが増え続けるSNS。そのSNSを活用したマーケティング・広聴手法「ソーシャルリスニング」が近年注目を集めており、耳にしたことある、といった方も少なくないはずです。
そこで本記事では、ソーシャルリスニングとは何か?具体的な導入ステップや活用方法のポイントをお話ししたいと思います。
&Fans を運営する rayout では、ソーシャルリスニングを活用したビジネスの支援を数多く行ってきました。そこで、プロの目線からソーシャルリスニングについて解説していきたいと思います!

ソーシャルリスニングとは?近年“最も重要な”マーケティング手法の1つ

ソーシャルリスニングとは?

記事冒頭「顧客の声を聞いていますか?」と投げかけましたが、ソーシャルリスニングとは、顧客の声に耳を傾け、ビジネスの改善や新規施策などに生かしていくことです。
XやInstagram、Facebookなどの代表的なSNSだけでなく、アンケート調査やレビューサイト、口コミなどの情報を集め、分析していくマーケティング手法です。

ソーシャルリスニングが必要とされる理由

では、一体なぜソーシャルリスニングが近年重要視されているのでしょうか。ここで1つのデータを見ていただきます。

ソーシャルリスニングが重要視される背景には「口コミの影響力」が1つ挙げられます。こちらのグラフを見ると、口コミを確認してからそのブランドの商品・サービスを購入する人が増えているのがわかります。その後押しをしているのがSNSの普及です。
口コミには、いい影響だけでなく悪い影響(ネガティブな口コミ)を与えることもあります。そのため、口コミを中心にユーザーの声に耳を傾け、即座にビジネスに反映していくスピード感が大切です。

これまでもアンケート調査・座談会といった形で企業も顧客の声に耳を傾けてきましたが、本音を聞き出すには画一的なアンケート項目や数時間の座談会では、なかなか難しいですよね。

そこでSNSを筆頭に様々な場所から発せられるユーザーの生の声(=本音)を幅広く拾っていくことが、近年になって重要視されています。

ソーシャルリスニングの重要性、メリットとは?

さらに踏み込んでソーシャルリスニングのメリットを3つのポイントに絞って解説していきます。すでに重要性は理解しているよ!といった方はこちらは飛ばして、先の導入ステップを読んでいただいてもOKです。

①顧客インサイトの取得

日々SNSを見ていると、たくさんの意見を目にすることが多いのではないのでしょうか。そこにあるのは、良くも悪くも各SNSユーザーの本音が綴られています。
そのような声を拾っていくことで、顧客が何を考えているのか?何に不満を持っているのか?を知ることができます。
また調査のボリュームが多く、リアルタイムの情報を得ることができるのは企業にとって大きなメリットになり得ます。

②ブランドイメージの理解・競合分析における優位性

SNS上ではさまざまな商品やサービスに対する声が溢れています。このような声を見ていくことで、自社のブランドやサービスがどう見られているのか?行った施策の反響はどうだったのか?といった自社の活動の成果を知ることができます。また、自社に限らず競合他社に対する声も同様に集めることができます。
自社がどう見られているのか?競合との違いは?その上での改善点(自社と生活者が持つブランドイメージとの乖離はないか?といった点など)を洗い出すことができます。
ユーザーの声を生かし、自社ブランドを客観的に理解し、競合とのポジショニングをはかり、改善を行い続けることで、独自のビジネスの成長を進めていくことが可能です。

③リスクヘッジ、改善点の洗い出し

先に述べた通り、SNSなどの口コミにはブランドや企業に対するマイナスな意見も多く投稿されています。それらのマイナスな意見を単にクレームと処理してしまうのは、とてももったいないです!わざわざブランドの改善点を指摘してくれているということなので、それらの声を生かすことで、ビジネスを改善し成長させていくことができます。また、スピード感を持って対応していくことで、炎上などのリスクも避けることにも繋がります。

またそのように、ユーザーの声を真摯に反映していくことで、そのブランドや企業のファンを増やしていくことができます。顧客との長期的な関係性を結ぶためにも、いい意見も悪い意見も、真摯に向き合っていくことが大切ですね。

ソーシャルリスニングの始め方

では、具体的にソーシャルリスニングをどう行っていくか?段階を踏んで具体的に紹介をしていきたいと思います。

ステップ1: 目的の設定とゴールの明確化

まずは目的を明確に設定する中で、KGI(具体的な目標)とKPI(目標を達成するための定量的な指標)を明らかにしていくことがファーストステップです。
マーケティングのトレンドだからといって、ソーシャルリスニングを行おう!と闇雲に走っても、途中で何のためにやっているのかわからなくなってしまいがちです。
そのため、チーム内で明確な目的を共有し、ゴール設定、ゴールに至るまでのプロセスと指標を明確化することがまずは重要です。

ステップ2: リスニングツールの選定

目的が決まったところで、早速ソーシャルリスニングにとりかかりましょう!もちろん地道に担当者がSNSを観察したり、口コミの調査を行っていくことも大切なのですが、より多くの声を効率的に拾っていくためにもツールの導入は不可欠です。調べると様々なツールが出てくるため、ぜひご自身の企業の目的に沿って最適なツールを選んでいただければと思いますが、代表的なツールを紹介したいと思います。

おすすめツールの紹介| Hootsuite, Brandwatch,Social Insight 

「Hootsuite」
Hootsuiteは、複数のソーシャルメディアアカウントを一元管理できるソーシャルメディア管理ツールです。ユーザーは、Hootsuiteを通じてFacebook、Twitter、Instagram、LinkedInなどのアカウントに投稿をスケジュールしたり、コメントやメッセージを一括で管理したりできます。また、投稿の効果を測定し、分析レポートを作成する機能も提供されています。これにより、効率的なマーケティング活動をサポートします。
Hootsuiteの詳細はこちら

「Brandwatch」
Brandwatchは、ソーシャルリスニングや消費者インサイトの分析を専門とするツールです。ソーシャルメディア、ブログ、ニュースサイトなどの膨大なデータをリアルタイムで収集し、ブランドに対する消費者の意見やトレンドを可視化します。これにより、企業は競合分析やマーケットリサーチを高度に行い、データに基づいた戦略的な意思決定が可能になります。Hootsuiteが主に投稿管理やスケジューリングをサポートするのに対し、Brandwatchは消費者の声を深く分析し、洞察を引き出すことに重点を置いていると言えます。
Brandwatch の詳細はこちら

「Social Insight」
Social Insightは、InstagramやTwitterなどのソーシャルメディアアカウントの運用・分析をサポートするツールです。特にInstagramのマーケティングに強く、フォロワーの増加、エンゲージメント率、投稿のインプレッション数などを詳細に分析できます。また、競合アカウントとの比較や、効果的な投稿時間の提案機能も備えています。Hootsuiteが多くのプラットフォームを一元管理する投稿管理ツールであるのに対し、Social InsightはInstagramなど特定のSNSに特化した分析と運用最適化にフォーカスしています。Brandwatchのように消費者インサイトを掘り下げることはせず、実務的なアカウント運用に力を入れています。
自身も使用したことがあるのですが、ボタン1つで詳細のレポートを作成してくれたりと、SNSの効率的な運用を含めて有用なサービスだと感じました!
Social Insight の詳細はこちら

ステップ3: 定点観測するキーワードとフレーズの選定

上記のツールを導入するしないに限らず、ソーシャルリスニングを行う上で定点観測するためのキーワード・フレーズを選定することも大切です。それを設定しないことには、膨大な情報量の中から、調べること、観察することが多すぎてどんな声を拾っていけばいいかわからなくなってしまいますよね。
そこで、以下の3つのポイントから適切なキーワードとフレーズを選定することを意識してください。

✅自社ブランド名、製品名
✅競合ブランド
✅業界トレンドや一般的なキーワード

ステップ4: 収集したデータ(声)の分析のプロセス

最後に集めたユーザーの声をどう分析していくかが重要です。こちらの上記に挙げたツールを活用することで、簡単に分析を行ってくれるのですが、具体的にどのような分析を行えばいいのでしょうか。
各企業やブランドの性質によって変わってくるので、一概には言えませんが

  • 関連するキーワードやトピックでデータをフィルタリング
  • 無関係な情報を除去
  • データを”定量的”に分析し、投稿数、感情(ポジティブ・ネガティブ・ニュートラル)、トレンドの把握を行う
  • 定性的な分析、具体的なコメントやフィードバックを深掘り

これらを行うことで、顧客のニーズや課題を整理することができます。ユーザーの声は様々なので、答えを1つに絞るのは難しいことだとは思います。しかし、そのような声に一つひとつ向き合い、こちらの方法で分析を行っていく中で、必ずヒントが見つかるはずです。その後、これらのインサイトをもとに、戦略的な改善策や新しいマーケティングアイデアを導き出していただければと思います。

さいごに:ソーシャルリスニングの効果的な活用でビジネスを加速させよう

ここまでいろいろなことを書いてきましたが、ソーシャルリスニングを実施する中で最も重要なことはやはり、「一人ひとりの声をしっかりと向き合い、ビジネスに反映していく」ことだと思います。
そうする中で、顧客との関係性を構築し、企業やブランドと顧客の関係性をより長く密接なものにしてくれます。
実務を行う上で、全てに顧客の声を反映する、といったことは難しいかもしれませんが、まずは小さなことからでも改善し、長期的なスパンで取り組む姿勢が大切です。

こちらの記事がきっかけで、ソーシャルリスニングに興味を持ってくれたり、実際に実施する方が少しでも増えたら幸いです!

以上、 &Fans 編集長 神谷がお送りしました!

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 &Fans を運営する rayout ではソーシャルリスニング実施のお手伝いをしています。まずは何をやったらいいか、ざっくりとした相談でも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。

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