「ファンダム」がこれからのマーケティングのキーワード!?:ファンダムとは、ファンダムの力と成功事例
Kamiya
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こんにちは、 &Fans 編集長の神谷です。
&Fans では、熱狂を生むさまざまな企業や個人のストーリーや、それらの考えに紐づくマーケティング概念などを紹介しています。
突然ですが、「ファンダム」って聞いたことありますか!?一般的にファンダムというと、趣味・アニメ・漫画・小説・スポーツなどの分野の熱心なファンたち、また熱心なファンによる世界、彼らによって形成された文化のことを指しています。
実はそんなファンダムが、近年のマーケティング活動の一部として注目されています。
こちらの記事では、企業がファンダムに注目し、マーケティング活動に絡めていくことのメリットや具体的な方法などを紹介していきたいと思います。
目次
ファンダムとは?
ファンダムの基本概念
ファンダムとは、特定のブランド、製品、人物、または作品に対して深い愛着と関心を持つ支持者やファンの集まりを指します。特にK-POP 界隈のファン集団を指してしばしば使われています。
ファンダムは単なる顧客層ではなく、共通の価値観や興味を共有し、積極的にコミュニティ活動や情報共有を自発的に行います。つまり”独自のカルチャーを持つ熱量の高いファンの集まり”とも言えます。
ファンダム内の個々のファンは、ブランドやコンテンツの発展に貢献するだけでなく、口コミやソーシャルメディアを通じてブランドの認知度を高める役割も担っています。
ファンダムがなぜ企業・ブランドにとって重要なのか
ファンダムが形成されると、ファンはブランドや製品に対する感情的な結びつきを深めます。この感情的なつながりは、単なる消費者を超えて、ブランドのアンバサダーとしての役割を果たすことを促します。ファンは、製品やサービスに対して強い忠誠心を持ち、繰り返し購入し、他者に推奨することが多いです。ブランドに対してのある種の忠誠度が高まることで、リピートビジネスが増加し、口コミによる新規顧客の獲得が期待できます。
ファンダムのマーケティング可能性
ここではファンダムの可能性をマーケティング目線から紐解いて考えてみます。
3つのポイント
ファンダムのマーケティング可能性
ブランド認知度の向上
顧客ロイヤルティの強化
口コミとバイラル効果の活用
ブランド認知度の向上
ファンダムはブランド認知度を向上してくれる可能性があります。ファンは自発的にブランドや製品を周囲に広め、ソーシャルメディアでの投稿やコミュニティ活動を通じて情報を拡散します。これにより、ブランドはより多くの人々に認知され、新規顧客の獲得につながります。ファンダムの積極的なプロモーション活動が、ブランドの認知度を効果的に高める手助けとなり得ます。
顧客ロイヤルティの強化
ファンダムは顧客ロイヤルティを強化します。ファン同士が独自のコミュニティを築くことで、ファンはブランドへの愛着と信頼を深め、リピート購入や継続的なサポートを行います。コミュニティの一員としてブランドとの絆が強くなり、顧客が長期的にブランドに対して愛着(忠誠心)を持つことが促進されます。これにより、顧客の維持率が向上し、安定した売上が期待できます。
口コミとバイラル効果の活用
ファンダムは口コミとバイラル効果(口コミの拡散)を生んでくれます。ファンがブランドや製品についてポジティブな情報をシェアし、友人やフォロワーに推奨することで、自然な形での広告効果が生まれます。これにより、ブランドの評判が広まり、潜在的な顧客にアプローチする新たな機会が生まれます。ファンダムの影響力を活用することで、効果的なマーケティング戦略が展開できます。
ファンダムマーケティングにおけるリスクと課題
ここまで聞くと「よし!マーケティングにファンダムを活用しよう!」と思われる方もいるかもしれませんが、そもそもファンダムはファン同士の独自のコミュニティになるので、企業やブランド側がそれらをコントロールするのはハードルとリスクがあります。
ブランドの期待に応えられない場合の影響
ブランドが既に形成されているファンダムに注目したとしても、期待に応えられない場合、ファンの失望や不満が広がる可能性があります。これにより、ブランドへの信頼が損なわれ、顧客ロイヤルティが低下することがあります。
場合によっては、ネガティブな口コミが広まり、ブランドイメージに悪影響を及ぼすこともあります。ファンダムではファン同士の強い結びつきがある一方、期待を裏切ると、ファンダムの支持を失い、ブランドの成長にブレーキがかかるというリスクも考えられます。
管理と対応の難しさ
ファンダムの管理と対応は複雑で困難です。ファン全てを管理し、コントロールしようとすることは無理ですし、そうすべきではありません。
企業やブランドがファンダムに介入したのはいいものの、ファンからのフィードバックやクレームに迅速かつ効果的に対応することは、リソースや時間の管理が求められます。
そこで適切なコミュニケーション戦略を整え(ある種の距離感)、ファンダムの期待に応えることは、ブランド運営において重要な課題だと言えます。
成功事例:ファンダムを活用したマーケティングの実践例
ファンダムマーケティングを実践することにハードルがあることはわかったではどうしたらいいのか?ファンダムは独自のコミュニティがあるが故にノウハウとなる答えが明確にある訳ではないのですが、既にファンダムが良い形で機能している事例を挙げて、ヒントを探ってみましょう。
韓国から世界へ、BTSが育んだ熱狂とは
K-POPグループ「BTS」におけるファンダムの動向は、しばしばマーケティングの分野でも注目されています。
BTSに限らず、アーティストのファンダムはそれぞれの活動ごとにチームをつくり活動することがあります。BTSを例にとると「ストリーミング総攻」と呼ばれる、YouTubeなどのストリーミング再生数をどうすれば1位に押し上げられるのかを、ファンダム内で議論し、戦略的に行動しています。
また、ファンダムないしファン個人がアーティストを支援することを目的に独自で屋外広告などを出稿する事例も多々あります。韓国ではファン専用の広告代理店が誕生しているほど盛り上がりを見せています。
これらファンダムの活動を後押しする、つまり日本でも近年盛り上がりを見せる「推し活」をいかに企業やブランドが後押しできるかがファンダム活性化の1つの鍵になると言えます。
参考:https://www.to-mare.com/talk/2022/k-pop.html(K-POPの発展を支えるファンダムの存在とは)
公式アンバサダー制度を利用したワークマン
作業服を中心に、近年アパレル事業にも範囲を広げているワークマンでは、ワークマン製品が好きで継続して ワークマン製品を発信してくれる方、ある専門分野に精通した方で 製品開発のご助言をいただける方など、ワークマンを応援するファン向けにアンバサダー制度を導入しています。
これは先にあげたBTSなどの例とは違い、企業が積極的にファン醸成の機会をつくり、成功した事例になります。
ワークマンに止まらず、大分県の酒造メーカー三和酒類が提供する麦焼酎「いいちこ」では、ファンを集めた「いいちこアンバサダー」を実施するなど、さまざまなブランドがアンバサダー制度を導入しています。
https://www.workman.co.jp/feature/ambassador
https://style.iichiko.co.jp/tag/いいちこアンバサダー/
まとめ:ファン心理を理解し、良い関係性を築こう
ファンダム活用のポイント
ファンダムをマーケティング目線で活用するためには、まずファンを理解し、深い関係を築くことが重要です。具体的にはファンマーケティングを行うなど、ファンとの対話やフィードバックの収集を通じて、ブランドに対する関心や愛着を持ってもらうようにしましょう。また、先に述べたリスクを避けるためにもファンダムとの適切なコミュニケーションも重要です。オンラインフォーラムやソーシャルメディアグループを通じてファン同士の交流を促進し、ブランドのメッセージを共有する場を提供します。また、マイナスな意見が出た際には、できる限り真摯に向き合ってください。
これらの活動により、ファンダムのエネルギーをブランドの成長に活かしてもらえればと思います。
自社でファンダムを築くためには
企業主導でファンダムを築いていくには、まずファンとは一体誰なのか?明確化することから始めます。自社の製品やブランドに関心を持ちそうな層を特定し、そのニーズや興味を理解してください。
その上で、ファンがついつい参加したくなる、見たくなる、シェアしたくなるコンテンツを作っていきましょう。ブログ、動画、イベントなど、手法は問わず、何がいちばんファンがアガるのか?考えてみてください。
そして、コンテンツを軸としたコミュニティの構築も重要です。ソーシャルメディアや専用のフォーラムを活用し、ファンが意見を交換できる場を提供します。さらに、フィードバックの収集と対応を行い、ファンの期待に誠実に応えることで信頼を築くことを大切にしてください!
以上、 &Fans 編集長 神谷がお送りしました!
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