ファンとの新しいコミュニケーション方法。カテゴリーエントリーポイントを活かした愛されるブランドの作りかた

Kamiya

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こんにちは、&Fans編集部の神谷です。近年、マーケティングやブランド戦略の分野で注目を集めている「カテゴリエントリーポイント(Category Entry Points, CEP)」という概念をご存知でしょうか?これは、消費者が特定のカテゴリーに関心を持ち、ブランドや商品を検討し始める瞬間を指します。本記事では、CEPの基本概念から、その重要性、具体的な活用方法、そして成功事例までを詳しく解説します。

 &Fans を運営する rayout は、企業のコミュニケーション課題を解決する多岐にわたるサービスを展開しています。その豊富な経験と実績をもとに、CEPを活用した効果的なマーケティング戦略についてご紹介できればと思います!

カテゴリエントリーポイント(CEP)とは?これからのマーケティングに欠かせない概念

マーケティングやブランド戦略を考える上で、近年注目されている概念のひとつに「カテゴリエントリーポイント(Category Entry Points, 通称CEP)」があります。これは、消費者が特定のカテゴリーに興味を持ち、そのブランドや商品を検討し始める瞬間のことを指します。

たとえば、カフェで考えてみます。人が「カフェに行きたい」と思うきっかけはさまざまですよね。「仕事の合間にリラックスしたい」「友人と会話を楽しみたい」「おしゃれな空間でインスタ映えする写真を撮りたい」など、その人の動機によって、どのお店が想起(=特定のブランドや商品など思い浮かべること)されるかが変わります。こうしたきっかけに着目し、その機会をつくっていくことで、ブランドはより効果的なマーケティング戦略を構築できるのです。

なぜカテゴリエントリーポイントが重要なのか?多様な消費者を想定するために

1. 消費者の選択プロセスを理解する

消費者がブランドを選ぶ際、必ずしも「ブランド名」から検索を始めるわけではありません。むしろ、「○○したい」「○○が必要」といった動機からスタートすることがほとんどだと思います。つまり、消費者の頭の中にある「ニーズ」や「状況」を把握し、それに合わせたアプローチをすることが、ファンに選んでもらえる・愛されるブランドになるカギとなります。

2. 競合との差別化につながる

多くのブランドは、自社の強みやUSP(Unique Selling Proposition)を打ち出すことに注力しがちですが、それだけでは消費者の記憶に残るとは限りません。むしろ、「どんな状況で想起されるか」という観点でブランドを設計することで、競合との差別化を図ることができます。

3. SEO戦略との親和性が高い

カテゴリエントリーポイントは、SEO戦略とも密接に関係しています。検索エンジンで上位表示されるためには、ユーザーがどんな言葉で検索するのかを理解し、それに最適化したコンテンツを作成する必要があります。「カテゴリエントリーポイント」を意識したコンテンツ作成は、まさにこのSEO戦略と相性が良いのです。SEO戦略と一緒に組み合わせることで、消費者とより良いコミュニケーションをとっていくことができます。

カテゴリエントリーポイントを活用する方法

1. 消費者の”考え”を徹底的に調査する

CEPを活用するためには、まずターゲットとなる消費者の行動や心理を深く理解する必要があります。具体的には、以下のような調査がおすすめです。

  • SNS分析:ユーザーがどのような状況でブランドや商品について言及しているかを調べる。
  • 検索ワード分析:GoogleやSNSでどのようなキーワードが検索されているかを確認する。
  • インタビュー・アンケート:実際の消費者の声を収集し、どんな動機で商品・サービスを利用するのかを把握する。

2. 具体的なシナリオを設計する

調査結果をもとに、消費者がどんな状況でブランドを思い出すのかを明確にし、それに対応したコンテンツやプロモーションを企画します。

例:コーヒーブランドの場合:
このように、具体的なシナリオを作成し、それぞれのシナリオに合ったマーケティング施策を展開することで、ブランドの想起率を向上させることができます。

3. コンテンツマーケティングに落とし込む

カテゴリエントリーポイントを意識したコンテンツを作成することで、SEOの観点でも大きな効果が期待できます。具体的には、以下のような施策が考えられます。

  • ブログ記事の作成:「朝に最適なコーヒーの選び方」「仕事中に集中力を高めるドリンク」など、CEPに紐づいた記事を作成。
  • SNSキャンペーン:「#朝のコーヒー習慣」などのハッシュタグを用い、ユーザーの投稿を促進。
  • YouTube動画:「リラックスできるコーヒーの淹れ方」など、状況別の動画を作成。

このように、CEPを意識したコンテンツを多角的に展開することで、ブランドの接触機会を増やすことができます。

カテゴリエントリーポイントを活用する企業事例

1. コーヒーブランドの「ライフスタイル別コーヒー提案」

あるコーヒーブランドは、消費者のライフスタイルに合わせたマーケティング戦略を展開。朝の目覚めに適したブレンド、仕事中の集中を助ける豆の選定、リラックスしたいときに最適なフレーバーなど、シーンごとに異なる訴求ポイントを設定しました。これにより、「コーヒーを飲みたいときに最初に思い浮かぶブランド」としてのポジションを確立し、競争の激しい市場での差別化に成功しています。

2. サウナ向けに開発されたメガネの成功事例

特定の趣味層に特化した戦略の好例として、あるメガネブランドは「サウナ向けメガネ」を市場に投入しました。サウナ内の高温多湿環境でも曇りにくい特殊コーティングを施したレンズを採用し、ユーザーの悩みに直接応える製品として話題に。さらに、この技術を応用し、「マスクをしても曇りにくいメガネ」としても展開を広げ、CEP(カテゴリエントリーポイント)の拡張に成功しました。

3. スポーツドリンクのシチュエーション別マーケティング

従来の「スポーツ時の水分補給」というイメージにとどまらず、あるスポーツドリンクブランドは「日常のさまざまなシーン」での利用価値を強調。例えば、「オフィスでの集中力維持」「風邪や体調不良時の水分補給」「夏場の熱中症対策」など、異なる状況での利用を提案しました。その結果、ターゲット層が拡大し、ブランドの認知度と想起率が大幅に向上しました。

カテゴリエントリーポイントをマーケティング戦略に取り入れよう

カテゴリエントリーポイントは、ブランドの想起率を高め、競争優位性を築くための強力なフレームワークです。消費者がどんな状況でブランドを思い出すのかを理解し、それに最適化した施策を展開することで、より効果的なマーケティングが可能になります。

&Fansでは、こうしたマーケティングの最新トレンドを踏まえ、企業やブランドがより良い形で消費者とつながるための情報を発信しています。ぜひ、この機会にカテゴリエントリーポイントを活用し、ブランドの成長につなげてみてください。

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