アルムナイネットワークとは?退職者と繋がるコミュニティの重要性を解説!
yada
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こんにちは! &Fans編集スタッフの矢田です。
私は &Fans を運営する rayout にてプランナーとしてさまざまな案件の企画を担当しています。
多種多様な企業の案件を担当している中で、多くの企業の共通の悩みとしてしばしば相談を受けるのが採用についてです。そこで、今回はこれからの新しい採用手法としての「アルムナイネットワーク」について、詳しく紹介していきたいと思います。
採用場面において「アルムナイ採用」という言葉を耳にしたことはありますか?
アルムナイ採用を成功させるためには「アルムナイネットワーク」を構築して上手に活用していくことが重要になっています。
&Fans ではアルムナイ採用を含め、さまざまな採用支援を行っています。こちらの記事では、アルムナイネットワークとは?の説明から企業がどんな活用をしているかをプロの目線から取り上げていきます!
アルムナイネットワークとは?
アルムナイネットワークの定義と目的
アルムナイは英語で「卒業生」という意味があります。
日本では近年注目されているアルムナイというワードですが、海外企業では以前より一度自社を離れた社員の中から優秀な人材を再雇用する動きがあり、この仕組みを「アルムナイ制度」と呼び、退職者を「アルムナイ」と呼んでいます。
そして、アルムナイネットワークとは、簡単に言うと同窓会のようなコミュニティのことを指し、退職者との関係を維持するためのネットワークです。これは、単に退職者とつながるだけではなく、新たなビジネスチャンスや情報交換の場を提供することを目的としています。
アルムナイネットワークが近年注目を浴びる背景
アルムナイネットワークが広まっている背景には、企業の人材確保が難しくなっていることと人的資本経営への注目が高まっていることが主に挙げられます。
転職者数は年々増加しており、「一生に複数社に勤める」ことが当たり前の時代になっています。労働者の価値観は多様化しており、継続して働いてもらうことに課題を抱えている企業も多いですよね。自社への愛着心や思い入れが強いアルムナイを再び雇用できれば、定着率を向上させ、安定的な経営へとつなげることが可能です。
また、変化の激しい現代において、競合優位性を獲得するために、人的資本経営が重視されるようになっています。人的資本経営とは、人材を資本とみなし、その価値を高めることで、継続的な企業成長へとつなげる経営の考え方を指します。企業の持続可能性(サステナビリティ)を評価する投資家や消費者が増加していることも、人的資本経営が注目されている理由の一つです。
このようにアルムナイネットワークは、企業文化として人と人とのつながりを大切にし、新しい可能性を生み出す手段としての役割を果たすことから日本企業の間でも導入が広まっています。
アルムナイネットワークのメリット
ここでは、具体的にアルムナイネットワークを導入するメリットを企業側の目線、退職者(転職者)側の目線から説明したいと思います!
企業にとってのメリット
退職者は「会社を一番よく知る社外者」であり、いわばその企業の一番の理解者=ファンとも言えます。例えば、新たな製品やサービス改善の意見を求めた場合、退職者であれば企業について知り尽くしているので、企業目線の具体的な意見から第3者的な目線まで多様な評価を貰うことができます。退職者とは既に信頼関係が構築されているため、退職者が持ち込む新しい市場情報やパートナーシップ提案は、企業の成長に貢献し、新たなビジネスチャンスを生む可能性があります。
また、企業の業務内容や求めるスキルなどを理解している為、再雇用はもちろん、企業に合う人材の紹介によって優秀な人材を得やすくなる可能性も期待できるのです。このような機会を逃さないように常に繋がれることがアルムナイネットワークのメリットです。
さらに、アルムナイネットワークが構築されることで企業文化が外部にも広まり、ブランド力の向上に寄与することも期待されます。これは、「辞めた社員をも大切にする企業」という社会的立場から見た企業ブランディングと、「辞めても社員を大切にしてくれる企業」という採用ブランディングの2つのブランディングに効果があります。
そして、再入社した社員や再入社せずにアルムナイとして関わり続ける方に、その企業がどういう組織なのかを聞くインタビューを新卒採用サイトなどに掲載して採用活動にも活用されています。
退職者にとってのメリット
一方で、企業側だけでなく退職者にとってもメリットがあります。退職後もその企業と繋がれることはもちろん、退職者同士のつながりでネットワークが拡大し、お互いに情報交換を行うことで、現職の仕事で人脈を生かせる可能性があります。また、アルムナイ同士や現役社員とコラボレーションすることで、新しい知識や革新的なアイデアが生まれることも期待できます。
アルムナイネットワークの構築方法
では、具体的にどうアルムナイネットワークを構築していくのか?構築における重要性について説明できればと思います!
必要なプロセス
アルムナイネットワークを構築するには、まずはコミュニティを形成するシステムを整備することが必要です。ある無ネットワークの構築に力を入れる多くの企業では、アルムナイを対象とした専用のサイトページを設けています。そこまでコストをかけずに行うのが難しい場合は、LINEやSlackなどの気軽にコミュニケーションできるツールを活用することも有効です。いつでもどこでも繋がれるシステムがあることで、退職者と現役社員との円滑なコミュニケーションを可能にし、求人情報や企業の最新情報を共有する場として機能します。
また、構築にあたって、アルムナイネットワークの目的を明確にし、現役社員と退職者それぞれにメリットを明示することが重要です。そして退職時にはアルムナイネットワークへの参加をしっかりと呼びかけましょう!これにより、退職者が安心してネットワークに参加し、企業とのつながりを維持することができます。
企業文化とコミュニケーションの重要性
アルムナイネットワークの成功には、退職者が企業に対して親しみを持ち続けられるような企業文化の醸成が必要です。「また働きたい」「応援したい」と愛されるような企業文化を築き、これをアルムナイネットワークにおいてもオープンに伝えていくことが重要です。
加えて、双方向での情報交換を促進するようなコンテンツを設けることも重要です。定期的なニュースレターやオンラインイベントを開催し、企業の最新の取り組みや業界のトレンドを共有することで、退職者との関係を強化することができます。主体的にコミュニケーションを促進する企業姿勢が、アルムナイネットワークを活用した新たなビジネスチャンスを創出する鍵となります。
企業の活用事例を紹介!
実際にアルムナイネットワークを構築するにあたって参考になる事例を挙げてみました。ぜひこれらの企業を先行事例とし、導入を検討してみてください!
みずほFG、採用目的ではなくアルムナイとの「対話」を重視。登録者1500人超へ|みずほフィナンシャルグループ
みずほFGでは、アルムナイネットワークを3年間で10倍にも広げた実績があります。採用目的ではなく、ネットワークを重視した構築の背景について以下の記事で紹介されています。
参考:https://project.nikkeibp.co.jp/HumanCapital/atcl/column/00091/082100002/
アルムナイ(卒業生)とのつながりを大切に。スープストックトーキョーの「バーチャル社員証」とは?|Soup Stock Tokyo
以下の記事では、Soup Stock Tokyo が具体的にどのようにネットワークを構築したか紹介されています。独自のプラットフォームを構築することで生まれるアルムナイネットワークのユニークさや、導入における思いは多くの企業にとって参考になると思います。
参考:https://mytalent.jp/lab/article_soup-stock-tokyo/
アルムナイネットワークはこれからどうなっていくのか?
持続的な企業成長への貢献
アルムナイネットワークは、単に採用難の時代に必要とされる新しい概念に留まらず、企業の持続的な成長に大きく寄与する可能性を秘めています。アルムナイネットワークが構築するコミュニティが盛り上がることで、退職者が現在所属する企業とのコラボレーションや、新たな取引先の開拓が促進されることもあります。また、アルムナイネットワークを通じた好意的な口コミが、企業の評判を高めることで企業ブランディングの強化にもつながります。
そして、少子高齢化が進む日本社会においては、退職者との強固なパートナーシップを築くことで、企業は持続可能な成長基盤を確保が期待されます。このような理由から、今後のビジネスにおいて、アルムナイネットワークはますます重要性を増していくと考えられます。ぜひ企業の採用担当の方は、アルムナイネットワークの導入を検討してみてください!
……
&Fans を運営する rayout ではアルムナイネットワークの導入を含めた、さまざまな採用支援を行っています。導入の際には、わたくし矢田がプランナーとしてみなさんの採用のお手伝いができると幸いです!まずは何をやったらいいか、ざっくりとした相談でも構いませんので、ぜひお気軽にご相談ください。